2025年10月24日、私たちは特別なことを行いました。世界中のジャーナリストやクリエイターを本拠地プラハに招き、これまでにない没入型イベントを開催しました。ヨーロッパ最大のLEDドームを使用し、コンシューマー向け3Dプリントの歴史において初となる体験型イベントを実現しました。
このイベントは、私たちの会社のこれからを示すための完璧な舞台でした。チームはすでに1,200名を超え、米国デラウェアを含む3つの大規模工場を正式に稼働させました。これまで本当に懸命に取り組んできた成果を、ついに報道解禁とともに皆さんにお伝えできることを嬉しく思います。
イベント全編の録画もご覧いただけます。以下には、発表したすべての内容のまとめも掲載しています。
いつものように、私たちは“自分たちで作る”ことを大切にしています。そのため、司会はプロではなく、私と私のチーム──本物の3Dプリント愛好家たちが担当しました。その方がずっと自然で、私たちらしいと感じています。🙂
大きいアイディアを、大きくプリント:Prusa CORE One L 登場!
これは、実績あるPrusa CORE Oneの大型モデルです。プリントボリュームを2倍(300×300×330 mm)に拡大しながら、本体サイズはわずか10%の拡大に抑えました。
中心となるのは新開発のAC対流ヒートベッドです。厚みのあるアルミブロックから精密加工され、±2°C未満の温度誤差で均一な加熱を実現。冷えたコーナーや反りを徹底的に排除します。ベッド下のファンがチャンバーを60°Cまで素早く加熱し、高機能素材のプリントにも理想的です。さらに、安全性とセキュリティも大幅に強化。まさに「開梱してすぐプリント」できるマシンです。
セキュリティ第一:Prusa CORE One L Critical Infrastructure Edition
私たちは常にセキュリティを重視してきましたが、エンタープライズ、政府機関、防衛産業などの分野では、データセキュリティは妥協できません。このたび、完全オフライン運用を実現する特別仕様のエディションを新たにご用意しました。このモデルは、Wi-Fiコネクタおよび関連回路を完全に取り除いたカスタムメインボードを採用。カメラを搭載せず、暗号化認証済みUSBドライブおよびデータ揮発証明書(Letter of Volatility)が同梱されており、最も厳格なセキュリティ基準にも対応します。標準モデルと同等のパフォーマンスを維持しながら、完全オフラインでの安全性を実現しました。

シリコンプリントの新時代を切り拓く
これは真のゲームチェンジャーです。スタートアップ企業Filament2とのパートナーシップにより、Original Prusa XL向けの革新的なプラグアンドプレイ式ツールヘッドを開発しました。この新ツールヘッドには、2液性素材に対応する高精度ミキシングノズルが搭載され、耐熱性の高い本物のシリコーンからプリントが可能になります。一見フィラメントのように見える素材は、実際には液体を充填したチューブで、Nextruderを通して通常の3Dプリントと同様に押し出されます。さらに、この技術の真価はPrusa XLのツールチェンジ機能によって発揮されます。従来のFDMプリントとシリコーンプリントを1つの造形物内でシームレスに組み合わせることが可能になり、応用の幅は無限に広がります。妥協も「ほぼ本物」もありません。Prusa XLは、産業用マシンのほんの一部のコストで「本物のシリコーン」をプリントします。
OpenPrintTag 規格のご紹介
現在、市場に出回っているほとんどのスプールは、3Dプリンターと通信する手段を持っていません。「スマートスプール」と呼ばれるものも存在しますが、それぞれが独自仕様・クラウド依存・ロックされた仕組みで、まるで“西部開拓時代”のような状況です。2Dプリンターのインクカートリッジを想像してください──メーカーごとに異なる規格で混乱するように、スマートスプールの世界も今まさにそれに近い状態なのです。
私たちはここに、完全オープンソースの新しい標準規格「OpenPrintTag」を提案します。誰でも自由に利用・拡張・開発でき、ライセンス料は不要です。この規格は、次の3つの柱に基づいています:
- オフラインファースト:タグ自体に書き込みが可能です。これは大きな特徴で、単なるIDではなく、素材・色・残りフィラメント量などの重要な情報がすべてタグ内に保存されます。クラウド接続がなくてもプリンターは“スマート”に動作します。
- 完全オープンソース:標準仕様はすべて公開されており、ライセンス費用は一切不要。誰でも利用・拡張・発展させることができます。ベンダーロックや囲い込みもありません。
- 再利用可能:タグは書き換え可能です。スプールを使い切ったら、タグを剥がして別のスプールに貼り付け、スマートフォンで書き換えるだけで再利用できます。あなたの古いスプールも、すぐに“スマートスプール”になります。
このタグはフィラメントスプールに装着する円形のNFCアンテナ構造で、低コストで信頼性が高く、距離や角度に関係なく安定して動作します。
OpenPrintTagに関する詳細はこちらの記事でご覧ください。
さらにスマートに、さらに進化したスプール
新しい規格を普及させるには、まず大手メーカーが先陣を切る必要があります。そこで私たちが動きました。本日から、すべての新しいPrusamentスプールにOpenPrintTagが搭載されます。そして、私たちだけではありません。他の主要メーカーともすでにテストや導入に向けた協議を進めています。今後数週間で、Black Fridayキャンペーンの一環として旧スプールを割引販売し、在庫を切り替えながら、全フィラメントラインアップを新しいOpenPrintTag搭載スプールへと移行していきます。これにより、数百万単位のOpenPrintTagが市場に流通することになります。

この機会に、スプールデザインも全面的に刷新しました。新スプールは厚みを3mmスリム化し、市場にあるすべてのマルチカラーシステムと互換性を持たせました。また、素材にはリサイクルポリカーボネートを採用し、旧モデルで使用していた紙芯の代わりに新しい「ツイスト&ロック」機構を導入。これにより、耐熱温度は100°Cまで向上し、フィラメント乾燥も容易に。さらに、リフィル作業がこれまでになくスピーディーになりました。旧スプール/OpenPrintTag非搭載)割引中のPrusamentはこちら
史上もっとも美しい3Dプリンター
ずっと考えていました──“リビングルームに置きたくなる3Dプリンター”をどう作るか。ただ置いておくのではなく、誇らしく飾れるような存在。誰かが訪ねてきたとき、それが3Dプリンターだと気づかないような美しさを持つものを。このプロジェクトは何年にもわたり、数十回の試作を経て、ついに形になりました。
それが「Signature Oak」です。
ここには、128年の木工の伝統と3Dプリンティングの未来が融合しています。自然とテクノロジーの完璧な調和です。私の父は大工で、幼い頃、兄と一緒に父の工房で過ごしました。そんな中、1897年創業の木工メーカー「Jelínek」のオーナーと出会い、話が進み、このプロジェクトが始まりました。私にとっても非常に個人的で特別なプロジェクトです。この美しい3Dプリンターは、限定250台のみの生産となります。
PrusaSlicer 3.0 初公開
プレゼンテーションでは、PrusaSlicer 3.0の初公開となる3枚のスクリーンショットも発表しました。開発の裏側についても少しだけ触れています。 Prusa Dayの録画を見れば、私たちのお気に入りの新機能のヒントも見つかるかもしれません。😉ここではその“ティーザー”だけを残しておきます。ぜひ拡大して、何が変わったのか推理してみてください!
史上最大のBlack Fridayセール開催中!
ここまでで多くの新製品を発表しましたが、さらにそのタイミングでBlack Fridayセールもスタートしました。
これらを同時に行う理由はただひとつ──透明性のためです。新製品も割引情報もすべて同時に公開することで、全体像を把握し、最適な選択をしていただけます。
2025年のPrusa Black Fridayは、丸1か月にわたって開催されます。Prusa XLの大幅割引、200USD以上のご注文で世界中どこでも送料無料(※条件あり)、そしてPrusament最大30%オフ!さらに、CORE One購入で無料のBuddy3Dカメラ、Prusa Academyコース、総額156ドル相当の限定3Dモデルなど、特典も盛りだくさん。在庫には限りがありますので、お早めに!
FormNext 2025でお会いしましょう!
もちろん、今年のFormNextにも出展します。今回ご紹介したすべての新製品を会場に持ち込み、もしかしたら特別なお披露目もあるかもしれません。それでは、会場でお会いしましょう!
Happy printing!

コメントを投稿するにはログインしてください。