Prusa CORE One の発表の際に、私は「このプリンターは拡張性に優れており、今後のプロジェクトにおいて非常に柔軟に対応できる」と書きました。
そして本日、その意味をまさに体現する新製品を発表できることを嬉しく思います。
それが、Prusa CORE One L です。

こちらは、新しい大型サイズの密閉型CoreXY 3Dプリンターであり、実績のあるPrusa CORE Oneの“兄弟モデル”として登場したファミリーの拡張版です。
私たちは「ひとつのサイズですべてを満たすことはできない」と考えています。
コンパクトなサイズで十分なプロジェクトもあれば、圧倒的なスケールが求められるものもあります。
CORE One Lは、大きなパーツを分割して試作することに悩んできたエンジニア、一度でヘルメット全体をプリントしたいプロップ(造形物)制作者、そして高機能マテリアルを最大限に活かしたいあらゆるクリエイターのためのマシンです。

CORE One Lは、大型プリント体積と設置スペースの理想的なバランスを実現しています。
スライサーでモデルを細かく分割して貼り合わせる――そんな手間にもう何時間も費やす必要はありません。
これまで6回に分けてプリントしていたものが、今では2回で完了します。
そして本当にすごいのは、そこに至るまでの設計です。 CORE One Lは、CORE Oneと比べてサイズは わずか10%の拡大 なのに、プリント体積は200%にアップ! それでもデスクにすっきり置けるコンパクトさを保っています。
つまり、「外見はコンパクト、中身はビッグ。」
それがCORE One Lの魅力です。

そして今回初めて、重要インフラ向けの特別仕様モデルも公式Eショップで直接販売を開始します。
すでに量産は本格的に始まっており、最初のユニットはレビューアーのもとへ発送済みです。
今すぐ、あなたのCORE One Lを手に入れてください。

そして、内部にはまだまだ驚きの仕掛けがあります!
気になりますか?それでは、さっそく見ていきましょう!

CORE ONE Lの6つの注目ポイント

いつも通り、最初は短くシンプルにまとめようと思って書き始めました。 ……が、技術的な話に入るうちにどんどん熱が入ってしまいまして(笑)。 なので、まずは「特に重要な6つのポイント」をざっくり紹介してから、後半で対流式エアフローの話など、よりマニアックな部分に触れたいと思います。🙂

1. テーブルサイズに収まるのに、約30リットル(1立方フィート)の大容量プリント。しかも標準電源で動作。

プリントサイズは300×300×330 mm。 大きくて頑丈なモデルを一体で造形するのに十分なスペースがあります。 チャンバーは最大60°Cまで加熱可能で、多くの高機能材料に最適な環境を実現しています。

2. 表面の99%で温度差±2°C以内を実現するAC対流ヒートベッド

やはり、アルミの一枚板に勝るものはありません。 CORE One Lでは、デュアルループ加熱システムを採用し、表面全体で温度差がわずか2%以内という、非常に均一な加熱を実現しました。 これにより、反りやコーナーの冷えといったトラブルを徹底的に排除しています。さらに、ヒートベッド下部に2基のファンを搭載 (空気誘導板2枚付き) これにより、チャンバー全体を素早く温め、安定した造形環境を作り出します。

3. 60°Cまで加熱可能なチャンバーとスマート温度管理機能、HVACやフィルタに接続可能な排気ポート

まさに「スタートしたらあとは任せておける」真の自動運転型プリンター。 CORE Oneでもチャンバー温度の自動制御はすでに実現していましたが、Lではさらに進化。 自動トップベントの開閉機構を搭載し、温度管理をより効率的に行います。 さらに、新しい熱分配システムにより、チャンバーの立ち上がりがこれまで以上に速くなりました。

4. 高品質かつ高速なプリントを、あなたの好きな素材で

スウェーデン 🇸🇪 Bondtech社製CHTノズルを標準搭載。 このノズルは、すべてのフィラメントで高流量プリントを実現 できるよう設計されています。すでに実績のある素材や生産用に最適化された材料を、そのまま高速プリントに活かせます。 内部構造を最適化することで、フィラメントの溶融効率を高め、より滑らかな押し出しを実現。 さらに、摩耗に強いノズルも同梱されています。

5. 箱から出してすぐプリント! 工場出荷時に完全キャリブレーション済み

CORE One Lは組立済みモデルのみの販売です。 出荷時にすでにPhase SteppingやInput Shaperを含めた全キャリブレーションが完了しています。 開梱後は、言語設定を行い、必要に応じて接続ウィザードを完了するだけ。1080pカメラ、2種類のノズル、Prusa Academyの包括的なオンラインコースなど、すぐに使い始められるフルパッケージです。

6. 重要インフラ対応のセキュリティ機能を搭載

Prusaのプリンターは常にセキュリティを重視してきました。 オープンソースのファームウェア、取り外し可能な無線モジュールとカメラ、暗号化USBドライブ対応、そして「オフラインファースト」設計。 そして今回、さらに新たなセキュリティオプションを導入し、重要インフラ用途にも安心して導入できるレベルへと進化しています。

 

サイズはほぼそのまま、容量は2倍。

このプロジェクトを始めたとき、目標はシンプルでした。
――プリントボリュームを大幅に拡大すること。ただし、本体サイズは大きくしないこと。
単にサイズを大きくするのは簡単です。
しかしそれでは、重くて扱いにくい“巨大マシン”になってしまいます。
私たちは、専用の部屋やフォークリフトが必要なようなモンスターを作るつもりはありませんでした。
問題は、スケールアップするとどうしても重量が増してしまうという点です。
それは、私たちが絶対に妥協したくなかった部分でした。
そこで、CORE Oneで採用したレーザーカットのスチール製フレーム構造(エクソスケルトン)はそのままに、
剛性と耐久性を損なわず、削れるあらゆるグラムを探し出し、軽量化を徹底的に追求しました。

サイドパネルは軽量アルミ素材に変更しました(磁性はなくなりましたが、ユーザーによる改造用のマウントホールを追加しています)。
また、下部構造も完全に再設計されました。
その結果、CORE One LはCORE Oneよりわずか10%大きいだけで、0.5kgも軽量化されています。
大型の300×300mmヒートベッドは、チャンバー内部を余すことなくぴったりと満たす設計。
およそ30リットル(1立方フィート)のプリントボリュームを実現しています。
それでいて、このプリンターは依然としてタンクのように頑丈です。
忙しい工房の中でも、24時間365日、途切れることなく稼働し続けられる設計になっています。

Left: CORE One / Center: New CORE One L / Right: MK4S

熱を制する者がプリントを制す:新開発コンベクション式ACヒートベッド

CORE One Lで最も大きな革新、そして大型プリントを安定して行うための鍵となるのが、
この新開発のヒートベッドです。
私たちは再び原点に立ち返り、大型プリントを悩ませる最大の問題 ― 不均一な加熱とコーナー部の冷え ―を根本から解決することに挑みました。
これらは反りやプリント失敗の主な原因となっていました。

完璧で均一な熱を得るためには、近道も妥協も許されません。
熱安定性の面で言えば、厚みのあるアルミブロックに勝るものはありません。
だからこそ、私たちはそれを採用しました。
このヒートベッドは鋳造金属から作られ、精密加工によって完全に平面に仕上げられています。
さらに、内部にはデュアルループ式の加熱エレメントを一体化。
その結果、ベッド全体に驚くほど均一な熱分布を実現しました。
プリント面全体の温度差は、99%の範囲でわずか±2℃以内に抑えられています。

では、これがあなたにとって何を意味するのでしょうか?
それはつまり――もう「冷える場所」は存在しないということです。
モデルをどの位置に配置すべきか悩む必要はありません。ベッドの端から端まで、安心してプリントできます。モデルが浮き上がったり、反ったりする心配もありません。しかも、このヒートベッドはCORE Oneよりもずっと大きいにもかかわらず、加熱速度は25%も向上しています。

高性能マテリアルも、もっと手軽にプリント

しかし、私たちはそこで立ち止まりませんでした。Prusaプリンターとして初めて、ヒートベッドの裏面を活用してチャンバー全体を積極的に加熱しています。
ベッドの下に2基のファンを搭載し、強制対流効果を生み出します。
これらのファンがチャンバー内の空気を吸い込み、ヒートベッド裏面の高温面に勢いよく吹きつけます。そして、特別設計された2枚のエアディフレクターがその熱気を再分配し、チャンバー全体に均等に広げます。
この仕組みにより、チャンバー全体を効率的かつ高速に加熱することができ、最大60℃まで到達します。さらに、排気口にはフィルターやHVACシステム(空調・換気装置)を取り付けることも可能です。

This stable, heated environment is the key to printing high-performance materials like ABS, ASA, Nylon, and Polycarbonate without issues. It ensures perfect layer adhesion and prevents parts from cracking. We expect that advanced materials will be the most popular with the CORE One L, so this is why we include both a genuine Bodtech high-flow nozzle and a wear-resistant nozzle in the box.

次のようなプリントが可能です:

  • ABSやASAで紫外線や強い日差しにさらされるパーツをプリント
  • PETGで治具や固定具を素早く試作・改良
  • TPUで高い耐摩耗性を持つ大型の柔軟パーツをプリント

さらに、耐薬品性や帯電防止(ESD)特性を持つマテリアル、放射線シールド用ポリマーなど、多様な高機能素材にも対応しています。
もちろん、PLAのプリント性能も抜群です。しかも、ドアを閉めたままできれいにプリントできます。🙂



また、柔軟素材のフィラメントをより簡単にロードできるよう
フィラメントの挿入口も改良しました。
スイッチを切り替えるだけで、柔らかい素材がスムーズに通る低抵抗パスを作ることができます。

CORE One ではすでにチャンバー内の温度を自動制御しており、
選択したマテリアルに最適な環境を自動で整えることができました。
ただし、コンパクトな設計上、自動通気グリルの開閉を実装できなかったという課題がありました。CORE One L ではそれを解決しています。 低温マテリアル(例:PLA や PETG)を選択すると、エクストルーダーのレバーによって上部の通気口が自動的に開きます。 高温マテリアルを使用する場合は、自動的に閉じます。



CORE One L なら、もう何も心配はいりません。 素材をロードして、プリントをスタートするだけです。また、粒子の発生が多いマテリアルを扱う場合は、オプションのHEPAフィルターシステムも利用できます。

フルパワー、110Vでも妥協なし

このヒートベッドは、私たちが誇りに思う非常に巧妙な設計です。
少し詳しくご紹介しましょう。メーカーにとって重要なのは、
部品のバリエーションをできるだけ少なくすることです。 これにより、生産・流通・品質管理が容易になり、ユーザーにとってもトラブルが減ります。

ここで特に注目していただきたいのは、
世界各国の異なる電圧に対応するためのヒートベッドの仕組みです。
多くのメーカーは、110V地域向けに出力の弱い別設計の部品を用意していますが、
CORE One L ではその必要がありません。

今回の電力管理システムは非常にインテリジェントになっています。 単純なオン・オフチェックではなく、電圧波形をリアルタイムで解析し、包括的な電力モニタリングを実現。 これにより、プリンターは自動的に110Vと230Vを識別し、
ヒートベッドを直列または並列に切り替えることで、 世界中どこでも同等のパフォーマンスを発揮できるようになっています。

さらに、この詳細な電圧解析により、
小さな電圧変動をファームウェア側でフィルタリングでき、 誤った停電検知をほぼ排除し、プリントの信頼性を大幅に高めています。

また、多層構造のAC安全アーキテクチャも実装しました。
システムは常に漏電を監視しており、家庭用の漏電遮断器(RCD)のように、
漏電が検知された場合は即座に電力を遮断します。 さらに、リレーとTRIACの二重スイッチ設計を採用しており、
どちらかが故障してももう一方が動作し、ハードウェアレベルで回路を遮断します。 ACヒートベッド用のケーブルはシールド構造で、物理的にも安全性を強化しています。

――ということで、ヒートベッドについてはこのあたりで。 もう「冷たい角」や「ムラのある加熱」とは無縁です。 常に最高のプリント品質をお届けします。

そして次のテーマへ――

精密で、生産レベルのプリント品質へ

これは、常に話題となるテーマです。
すべてのプリンターメーカーが「高品質なプリント」を謳っていますが、 ここでは私たちがどのようにして、 3Dプリントの完成度をさらに高めるための次の一歩を踏み出したのかを具体的にご紹介します。

CORE One で高く評価され、数々のアワードを受賞したプリント品質を支えた要素は、すべてそのまま活かされています。剛性の高いCoreXY構造と360°冷却機構を備えたエクストルーダーにより、CORE One L では驚異の75°オーバーハングも造形可能です。

これにより、サポート材の使用を大幅に削減でき、時間・マテリアル・後処理コストの節約につながります。 必要な場合でもPrusaSlicer のオーガニックサポートは水溶性サポートに匹敵する性能を発揮。効率的かつ信頼性が高く、除去も簡単で跡がほとんど残りません。



近年、私たちはプリント品質の完全な最適化を目指して研究を進めてきました。
VFA(垂直微細アーティファクト)への対策を徹底的に行い、その成果はすべて CORE One L に反映されています。

新しい PrusaSlicer の機能 「Consistent Surfaces」 により、プリント直後から工業製品レベルの表面仕上げが得られます。
パスの最適化と速度制御を組み合わせることで、VFAを大幅に軽減し、プリント表面のムラ(ツヤの縞)を解消
これにより、造形物はそのまま最終製品として使用できるほどのクオリティになります。


左:Consistent Surfaces OFF / 右:Consistent Surfaces ON(Black PETG)

もちろん、見た目の美しさだけでなく、精度も重要です。
パーツを設計した経験のある方ならご存じの通り、寸法精度は何よりも大切です。
Prusa のプリンターはCTスキャンによってその精度を証明済み。
「What You Design is What You Get(設計した通りの結果が得られる)」という言葉を、私たちは実際の性能で体現しています。



左:CORE One L / 右:他社CoreXY機種(緑から離れるほど誤差が大きい)

しかも、これほどの精度を犠牲にすることなくスピードも維持しています。
堅牢な構造設計、2種類の専用ノズル、工場出荷時のInput Shaper調整、独自開発のプリントプロファイルにより、
CORE One L は CORE One と同等の速度で動作します。
さらに、ストロボ効果を用いた新しいベルト調整機能を搭載。
工場で完全にキャリブレーションされていますが、何千時間ものプリントを重ねた後でも、
ベルトの最適テンションをわずか2分で再調整できます。

本気で「ものづくり」に取り組む人へ

Prusa CORE One L のすべての設計思想は、「プリントを完全にストレスフリーにすること」にあります。
個人エンジニアでも、量産型プリントファームでも、
大きくて頑丈な部品をワンピースでプリントしたい方にも最適です。


プロフェッショナル環境でのセットアップ不要というのは大きなメリットです。
箱から出して、電源を入れ、プリントを開始するだけ。
煩雑なキャリブレーションも不要で、新しいスタッフのトレーニング時間もほとんど必要ありません。
UIの言語を選択し、ネットワーク接続の有無を決めるだけで、すぐに稼働を開始できます。

SolidWorks や Autodesk Fusion、あるいは STEP ファイルから直接、
物理的な部品を出力するまでの流れが、これまでになくスムーズに。
さらに Prusa Connect を使えば、リモートでプリント管理、ジョブスケジューリング、
コストやROIの追跡まですべて行えます。

CORE One L には、Prusa Academy のオンラインコースが付属しています。
このコースでは、プリンターの操作方法からプリント、メンテナンスまでを網羅的に学ぶことができ、
プリンターをより深く理解するのに最適です。
教育機関での学習用途や、新入社員のトレーニング教材としてもご活用いただけます。

より多くプリントし、より少ないダウンタイムで

私たちは自社内に600台以上のプリンターを稼働させる大規模プリントファームを運用しています。
そのため、すべてのプリンターは24時間365日の連続稼働を前提に設計されています。
現在では、柔軟性が求められない一部のパーツについては、射出成形による生産も増えていますが、
それでもプリントファームは今なお重要な役割を果たしています。
そしてこれまで一度も、生産におけるボトルネックになったことはありません。

CORE One L の大型プリントボリュームは、単に「大きなパーツをプリントできる」というだけではありません。
それは生産効率全体を変える存在です。

プリントファームの成功に必要なのは、信頼性だけではありません。
重要なのは自律性(オペレーターの介入回数とダウンタイムの少なさ)です。
プリントが完了するたびに、オペレーターはパーツを取り外し、新しいジョブを開始しなければなりません。
つまり、プリント面積が大きければ大きいほど、必要な作業の回数を減らすことができます。

以下のデータがその効果を示しています。
横幅500 cm × 高さ300 cm の棚スペースを例に計算した結果です。

※ 計算は単純な PCCF ブラケットを使用。
オペレーターの作業時間=ベッドの冷却、取り外し、表面メンテナンス、ノズル点検、次のプリント開始までの合計約10分。

また、1080p高解像度のナイトビジョン対応カメラも同梱されています。
取り付けるかどうかは自由に選択できますが、Prusa Connect
Prusa App を使えば、プリントの進行状況を遠隔で確認したり、
タイムラプス動画を簡単に作成することも可能です。



シンプルで手軽なメンテナンス

私たちは常に、プリンターを簡単にメンテナンスでき、シンプルに修理できるように設計してきました。
オープンフレーム構造の MK4S がその好例ですが、CORE One シリーズでも同じレベルのユーザーフレンドリーさを実現しています。

ノズルはわずか30秒で交換可能で、ヒーターを含むホットエンド全体を交換する場合でも約1分で完了します。
カバーを外し、サムスクリューを緩め、コネクターを2つ外すだけ。ノズルを予熱する必要もありません。
さらに LoadCell 技術を採用しているため、ノズル交換後の再キャリブレーションも不要です。

いつものように、溶接や接着は一切行っていません。
私はチームによく「ハンマーとドライバーさえあれば直せるプリンターであるべきだ」と冗談を言いますが、
それはつまり修理可能で長く使える設計を意味しています。
実際、CORE One L はシンプルなドライバーだけで全分解が可能です。



交換パーツは少なくとも5年間の供給を保証
さらに、経験豊富なスタッフによる24時間365日・7言語対応のサポート体制を整えています。
AIボットではなく、必ず人間の担当者が対応します。

オープンで、安全で、選べるエコシステム

Prusaのプリンターを手にした瞬間から、あなたはそれを自由にエコシステムへ統合することができます。
私たちは、ユーザーのあらゆるニーズをカバーするためのツールとサービスをすべて提供しています。

高機能な PrusaSlicer(他社スライサーの基盤にも採用)、
遠隔プリント管理とモニタリング用の Prusa Connect
公式 Prusa App(iOS/Android)
高品質フィラメント Prusament
学習コース Prusa Academy(CORE One L に同梱)、
そして100万点以上のモデルを公開している Printables

さらに、まだ試していない方にはEasyPrintもおすすめです。
スマートフォン、タブレット、またはWebブラウザから利用できる新しいオンラインスライサーで、
どこでも使え、リアルタイムでモデルを調整・複製・回転できます。
そして、ほんの数回のクリック(またはタップ)で、
ファイルを世界中のどこからでもプリンターへワイヤレス転送可能です。まさにゲームチェンジャーです。



もちろん、これらはすべて任意機能です。
完全オフラインで使用することも、他社製スライサーを使うことも自由です。
あなたが購入したハードウェアは、あなた自身のものです。ライセンスではありません。

セキュリティを最優先に

私たちはセキュリティを極めて重視しています。
CORE One L のすべての接続機能は100%任意であり、
初期セットアップ時ですらインターネット接続は不要です。
完全なオフライン運用を希望する場合は、Wi-Fiモジュールを取り外しても問題なく動作します。
また、ファームウェアはオープンソースであり、すべてのソースコードを自由に確認できます。

さらに、特定の用途においてはこれでも十分でないケースがあることも理解しています。
実際、以前から「特別仕様(エアギャップ)」のXLバージョンを提供していましたが、
この新しいマシンではこの仕様を最初から一般提供しています。



Prusa CORE One L:クリティカルインフラエディション 登場

私たちは、新モデル「Prusa CORE One L: Critical Infrastructure Edition」を発表します。
これは、データセキュリティが絶対条件となる企業・官公庁・防衛産業向けの特別バンドルです。
このエディションでは、Wi-Fi回路を完全に排除した特注メインボードを搭載。
さらに、暗号化・認証付きUSBドライブを同梱し、厳格なセキュリティ要件を満たすための
「ボラティリティ証明書(letter of volatility)」も提供します。



私たちのすべてのプリンターには、自社工場内のPCBラインで製造した独自電子基板が搭載されています。
また、CORE One L はEU(プラハ)および米国デラウェア州の両拠点で生産しており、
よりお客様に近い場所で製造を行っています。



さらに、このモデルはISO認証取得後にリリースされた初のプリンターです。
品質マネジメント(ISO 9001:2015)、環境マネジメント(ISO 14001:2015)、
労働安全衛生(ISO 45001:2018)の各認証を取得しており、
品質へのこだわり・環境負荷低減・チームの安全確保に対する取り組みを証明しています。

新しいスプールと「OpenPrintTag」規格

この2つは密接に関係しており、詳しくは
こちらの記事
および公式サイトでご覧いただけます。ここでは簡単にご紹介します。

多くの人が共感してくれると思いますが、2Dプリンターは正直あまり好きではありません。
常にインク切れに悩まされ、しかもカートリッジの中身よりも
チップや電子部品の方が多いというのが実情です。
メーカーごとに規格も異なり、ユーザーにとっては非常に不便です。

このような「ベンダーロック」の状況を3Dプリント業界で繰り返したくはありませんでした。
実際、スプール内のNFCタグ自体は新しいアイデアではありませんが、
すべてのブランドで共通に使える実用的な標準規格が存在していないのです。

そこで、私たちはそれを変えようとしています。

これからのPrusamentスプールには、OpenPrintTag規格に対応した完全書き換え可能なNFCタグが搭載されます。
この規格はブランドやエコシステムを超えて動作し、完全オープンソース・再利用可能・低コスト・完全オフライン動作を実現。
スプールの重要な情報はタグ自体に保存され、プリンターは即座にそれを認識します。
クラウドサービスに依存せず、真に「オープン」な標準です。

もちろん、他社に同じステップを踏ませるのは容易ではありません。
だからこそ、私たちはまず最初に動きます。
世界最大級のフィラメントメーカーの一つとして、Prusaが先陣を切ります。
まもなく、数万個規模のPrusamentスプールがNFC対応で出荷される予定です。
すでに多くの企業や団体から協力の申し出をいただいており、この新しい標準は確実に広がりを見せています。



CORE One L と Open Print Tag のこれから

では、CORE One L はこの新しい仕組みの中でどのような位置づけになるのでしょうか?
まもなく、MK4S、XL、CORE One、そして CORE One L 向けに、オプションのOpen Print Tag 対応スプールホルダーを発表予定です。

このスプールホルダーを使えば、スプールをセットするたびに、プリンターが瞬時にフィラメントの種類を認識します。
しかも、タグは自由に書き換えて別のスプールに付け替えることも可能です。
さらに、市場で最高レベルの性能を備えており、360°全方向で読み書き可能なうえ、
なんと2kgスプールでも安定動作します。
スマートフォンでスプールをスキャンすれば、Web上で詳細情報を確認することもできます。

詳しくは、こちらの記事および
公式サイトをご覧ください。



今後のロードマップ

私たちは今後数年にわたって価値を高め続けるための明確なロードマップを描いています。
まず、CORE One L は MMU3 に完全対応しています。
これは、最大5種類のフィラメントを同時に扱うことができる高速・効率的なマルチマテリアルソリューションで、
CORE One L 用のMMU3は2026年初頭に登場予定です。



今後のファームウェアアップデートでは、プリントシート上のQRコードをカメラで読み取り、
使用中のシートが正しいかを確認するPrint Sheet Recognition機能も追加予定です。
また、Open Print Tag対応スプールホルダーの実装も進行中です。
もちろん、ファームウェアの更新ごとに新しい機能と改善が追加されていきます。

さらに、数週間前にBondtechとの共同開発による新しいマルチマテリアルソリューション
「INDX」についても発表しました。
CORE One と INDX の組み合わせは、2025年11月にフランクフルトで開催される
FormNext 2025 にて初披露予定です。詳細は追ってお知らせします。

あなたの次のプロジェクトが、ここから始まる

以上が、Prusa CORE One L のすべてです。
コンパクトな外観に対し、内部は驚くほど広大。
冷えない新世代ヒートベッド、能動的な対流加熱チャンバー、1080pカメラ
そして将来のMMU3対応など、すべてが詰まっています。
チーム全員がこの成果を誇りに思っており、皆さんがこのプリンターで
どんな作品を生み出すのか、とても楽しみにしています。

もちろん、CORE One
MK4S も引き続き販売を継続します。
それぞれのカテゴリーで今なお揺るぎない価値を持ち、
最新のファームウェアやアクセサリーによって、これまで以上に進化しています。

さらに現在開催中の
Black Fridayキャンペーン では、
MK4Sをこれまでで最もお得な価格で入手できます。

CORE One L の生産はすでに開始しており、Eショップページも公開中。
最初の出荷は近日中に開始予定です。

Happy printing!